平安時代の文学


カテゴリ :  
文学・哲学・論理
  
平安時代
  

* 2021/10/09.

年代 作品名 種類 作者
814年 凌雲集(りょううんしゅう) 漢詩集 小野岑守(おののみねもり)など
818年 文華秀麗集(ぶんかしゅうれいしゅう) 漢詩集 藤原冬嗣(ふじわらのふゆつぐ)など
823年ごろ 日本霊異記(にほんりょういき) 仏教説話 影戒(きょうかい)
827年 経国集(けいこくしゅう) 漢詩集 良岑安世(よしみねのやすよ)など
900年ごろ 竹取物語(たけとりものがたり) 創作物語 不明
伊勢物語(いせものがたり) 歌物語 不明
905年 古今和歌集(こきんわかしゅう) 和歌集 紀貫之(きのつらゆき)など
935年ごろ 土佐日記(とさにっき) 日記 紀貫之(きのつらゆき)
951年 後撰集(ごせんしゅう) 和歌集 源順(みなもとのしたごう)など
951年ごろ 大和物語(やまとものがたり)/原形成立 歌物語 不明
平仲物語(へいちゅうものがたり) 歌物語 不明
974年ごろ 蜻蛉日記(かげろうにっき) 日記 右大将道綱の母(うだいしょうみちつなのはは)
980年ごろ 宇津保物語(うつぼものがたり) 創作物語 源順(みなもとのしたごう)説がある
三宝絵詞(さんぽうえことば) 仏教説話 源為憲(みなもとのためのり)
985年 往生要集(おうじょうようしゅう) 宗教本 源信(げんしん)
996年ごろ 枕草子(まくらのそうし) 随筆 清少納言(せいしょうなごん)
落窪物語(おちくぼものがたり) 創作物語 不明
1005年ごろ 源氏物語(げんじものがたり)/一部成立 物語 紫式部(むらさきしきぶ)
拾遺集(しゅういしゅう) 和歌集 花山院(かざんいん)説

藤原公任(ふじわらのきんとう)説

藤原長能(ふじわらのながとう)説がある
1008年ごろ 和泉式部日記(いずみしきぶにっき) 日記 和泉式部(いずみしきぶ)説
1010年ごろ 紫式部日記(むらさきしきぶにっき) 日記 紫式部(むらさきしきぶ)
1013年ごろ 和漢朗詠集(わかんろうえいしゅう) 歌謡集 藤原通俊(ふじわらのみちとし)
1030年ごろ 栄花物語(えいがものがたり)/正編 歴史物語 赤染衛門(あかぞめえもん)説
1055年 堤中納言物語

(つつみちゅうなごんものがたり)/一部成立
物語 小式部(こしきぶ)など
1060年ごろ 更級日記(さらしなにっき) 日記 菅原考標の女(すがわらのたかすえのむすめ)
夜半の寝覚(よわのねざめ) 物語 菅原考標の女(すがわらのたかすえのむすめ)説
浜松中納言物語

(はままつちゅうなごんものがたり)
物語 菅原考標の女(すがわらのたかすえのむすめ)説
1080年ごろ 狭衣物語(さごろもものがたり) 物語 不明
とりかへばや物語 物語 不明
1086年 後拾遺集(ごしゅういしゅう) 和歌集 藤原通俊(ふじわらのみちとし)
1100年ごろ 大鏡(おおかがみ) 歴史物語 不明
今昔物語集(こんじゃくものがたり) 説話 源隆国(みなもとのたかくに)説
1126年 金葉集(きんようしゅう) 和歌集 源俊頼(みなもとのとしより)
1144年 詞花集(しかしゅう) 和歌集 藤原顕輔(ふじわらのあきすけ)
1169年ごろ 梁塵秘抄(りょうじんびしょう) 歌謡集 後白河法皇(ごしらかわほうおう)
1170年ごろ 今鏡(いまかがみ) 歴史物語 不明
1187年ごろ 千載集(せんざいしゅう) 和歌集 藤原俊成(ふじわらのとしなり)
1190年ごろ 山家集(さんかしゅう) 和歌集 西行(さいぎょう)

凌雲集(りょううんしゅう):平安時代初期の弘仁5年(814年)に嵯峨天皇の命により編纂された日本初の勅撰漢詩集。

伊勢物語:平安時代の歌物語。作者・成立年未詳。多く「むかし、男(ありけり)」の冒頭句をもつ125段から成り、在原業平と思われる男の生涯を恋愛を中心として描く。在五が物語。在中将。在五中将日記。

宇津保物語:平安中期の作り物語。成立は10世紀後半と推定され,源順作とする説もあるが明らかではない。4代にわたる琴の秘曲伝授を中心に貴宮をめぐる求婚や政争などを描き,架空物語の《竹取物語》と現実的な《源氏物語》の中間的位置にある物語として注目される。

経国集:平安前期の勅撰漢詩文集。20巻。現存は6巻。淳和天皇の命で、良岑安世が滋野貞主らと編纂。天長4年(827)成立。嵯峨天皇・石上宅嗣・淡海三船・空海ら178人の作品千余編を収める。

古今和歌集:平安時代前期の最初の勅撰和歌集。 20巻。歌数 1095首余。醍醐天皇の命により,紀友則 (きのとものり) ,紀貫之 (つらゆき) ,凡河内躬恒 (おおしこうちのみつね) ,壬生忠岑 (みぶのただみね) が撰集にあたった。成立年について,延喜5 (905) 年に一応完成して奏上したとする説,その年に勅命を受け,同 13~14年頃完成とする説に分れる。

後撰集:後撰和歌集の略。平安時代中期の第2勅撰和歌集。 20巻。歌数 1400首余。村上天皇の宣旨により,天暦5 (951) 年和歌所が梨壺におかれ,藤原伊尹 (これただ) が長官となり,清原元輔,紀時文 (きのときぶみ) ,大中臣能宣 (おおなかとみのよしのぶ) ,源順 (したごう) ,坂上望城 (さかのうえのもちき) の5人が,『万葉集』の訓釈にあたる一方で撰集にあたった。

三宝絵詞:平安中期の仏教説話集。3巻。源為憲著。永観2年(984)成立。冷泉天皇の皇女尊子内親王が仏門に入るときの参考書として、仏法僧の三宝の功徳利益について述べたもの。絵は現存しない。

大和物語:平安中期の歌物語。作者未詳。天暦(947〜957)ごろの成立、のち増補されたといわれる。和歌を主とし、恋愛・伝説などを主題とする170余編の説話を収録。

竹取物語:平安初期の物語。1巻。作者・成立年未詳。竹取翁によって竹の中から見いだされ、育てられたかぐや姫が、五人の貴公子の求婚を退け、帝の召命にも応じず、八月十五夜に月の世界へ帰る。仮名文による最初の物語文学。竹取翁物語。かぐや姫の物語。

土佐日記:平安中期の旅日記。1巻。紀貫之作。承平5年(935)成立とされる。任地の土佐を船出して都に帰るまでの55日間の出来事を、作者を女性に仮託して仮名書きで記したもの。仮名文日記の最初のもの。

日本霊異記:平安時代前期の仏教説話集。「にほんれいいき」とも読む。薬師寺の僧景戒著。3巻。弘仁年間 (810~824) 完成。書名を正しくは『日本国現報善悪霊異記』というように,善悪の行いが仏力によって現実に報われたことを語る説話を集成したもの。

文華秀麗集:平安初期の,2番目の勅撰漢詩集。3巻。藤原冬嗣が嵯峨天皇の勅をうけて818年に仲雄王らに撰進させた。作者28人,詩148首で,嵯峨天皇をはじめ,当時の著名詩人を網羅する。

平仲物語:平安中期の歌物語。作者,成立年代不詳。《平中日記》《貞文日記》とも。色好みで知られた平貞文を主人公とする38段の説話からなる。

蜻蛉日記:右大将藤原道綱の母の日記。3巻。天延2年(974)以後の成立。夫の兼家との不安定な結婚生活に苦悩しながら、子の道綱への愛や芸術の世界に目覚めていく心の遍歴を描く。

とりかへばや物語:平安末期の物語。3巻または4巻。現存本はいわゆる「古とりかえばや」の改作といわれる。作者未詳。権大納言の男君と女君は性質が男女逆なので、男君を女、女君を男として養育されるが、混乱を生じ、もとの姿に戻って幸福になる。

栄花物語:平安後期の歴史物語。『世継物語』ともいう。11世紀の成立。40巻。正編30巻は赤染衛門,続編は出羽の弁の作というが確証はない。宇多天皇から堀河天皇まで約200年の宮中を中心とした貴族社会の歴史を編年体で記述。

往生要集:仏教書。3巻。源信著。寛和元年(985)成立。諸経論中より往生の要文を抜粋し、往生浄土の道を説いたもの。日本の浄土教に画期的な影響を与えた。

狭衣物語:平安後期の物語文学。11世紀後半成立。4巻。作者は禖子内親王家に仕えた源頼国の娘といわれ,狭衣大将と源氏宮を主人公とする長編悲恋小説。

金葉集:「金葉和歌集」の略。平安朝第5番目の勅撰和歌集。撰集下命者は白河院、撰者は源俊頼。1124年(天治1)に最初の草稿を奏覧に入れたが、新味がないと返却され、次に翌年4月に改撰して奏上したが、今度は現代歌人に偏りすぎるという理由で受納されず、三度目に三代集歌人を復活させた草稿を呈したところ、そのまま嘉納された。

源氏物語:平安中期の代表的物語文学。作者は紫式部。11世紀初め完成。全54帖。前半は光源氏を主人公に当時の貴族の華やかな生活を,後半はその子薫大将のひたむきな恋を描く。確かな構想と精緻な心理的手法により,藤原氏全盛時代の貴族社会を虚構化しつつ人間性の真実を描き出した名作。

後拾遺集:「後拾遺和歌集」の略。平安後期の勅撰和歌集。八代集の第四。20巻。承保2年(1075)、白河天皇の命により藤原通俊が撰し、応徳3年(1086)成立。和泉式部らの歌約1200首を収録。

更級日記:平安中期,菅原孝標の娘の自伝的文学。1060年ころ完成。1巻。13歳のとき父の任国上総国(千葉県)から帰京する記事に始まり,宮仕え・結婚・夫と死別してからの生活を回想風に記す。非現実的な物語的世界への憧れと浄土欣求の心情が流れている。

今鏡:12世紀末の歴史物語。四鏡の一つ。『続世継』ともいう。作者は藤原為経(寂超)が有力。10巻。関白藤原頼通から基房に至る1025年から1170年までの紀伝体の歴史物語。貴族生活の描写が中心で,没落貴族の懐古趣味を反映。文学的価値は『大鏡』より劣る。

今昔物語集:平安後期の説話集。31巻。現存28巻。源隆国や覚猷(鳥羽僧正)を編者とする説があるが、未詳。12世紀初めの成立。天竺(インド)・震旦(中国)・本朝(日本)の3部に分かれ、一千余の説話を収める、日本最大の古説話集。古写本は片仮名宣命体。書名は、各話が「今は昔」で始まることに由来する。

山家集:鎌倉初期,西行の私家集。12世紀末の成立。四季・羇旅・恋・雑などの歌を集め,歌数約1570首。特色は生活感情を率直・真摯に表現した旅の歌と雑の部にある。

紫式部日記:平安中期の日記。2巻。紫式部作。寛弘5年(1008)秋から同7年正月までの宮仕えの見聞・感想・批評などを仮名で記したもの。日記文と消息文とからなる。

詞花集:「詞花和歌集」の略。平安後期,第6番目の勅撰和歌集。八代集の一つ。1144年崇徳上皇の命により藤原顕輔が編纂,'51年ころ成立。10巻。『後撰和歌集』以後の歌約400首をおさめる。平淡で沈潜した歌風。三代集の伝統脱出への試みがみられる。

拾遺集:「拾遺和歌集」の略称。平安中期の勅撰和歌集。八代集の第三。20巻。撰者未詳。寛弘2〜4年(1005〜07)ごろ成立。拾遺抄を増補したものといわれる。万葉集・古今集・後撰集時代のものが大部分で、約1350首を収録。

千載集:「千載和歌集」の略。平安末期の勅撰和歌集。八代集の第七。20巻。寿永2年(1183)後白河院の院宣により、藤原俊成が撰。永延元年(987)以後の歌を選び、文治4年(1188)成立か。歌数1280余首。代表歌人は源俊頼・藤原俊成・藤原基俊・俊恵・和泉式部・西行など。千載集。

大鏡:平安後期の歴史物語。3巻本・6巻本・8巻本がある。著者未詳。白河院院政期の前後に成立か。大宅世継・夏山繁樹という二老人の昔語りに若侍が批判を加えるという形式で、藤原道長の栄華を中心に、文徳天皇の嘉祥3年(850)から後一条天皇の万寿2年(1025)までの歴史を紀伝体で記す。

堤中納言物語:平安後期の短編物語集。天喜3年(1055)女房小式部作の「逢坂越えぬ権中納言」以外は、作者・成立年代未詳。「花桜折る少将」「虫めづる姫君」「よしなしごと」など10編と一つの断章からなる。

浜松中納言物語:平安後期の物語。現存5巻で首部を欠く。菅原孝標女の作と伝える。成立年未詳。浜松中納言の日本と唐土にまたがる恋や転生を中心とする浪漫的な物語。

枕草子:平安中期の随筆。清少納言作。長保2年(1000)ころの成立とされる。作者が一条天皇の中宮定子に仕えていたころの宮仕えの体験などを、日記・類聚・随想などの形で記し、人生や自然、外界の事物の断面を鋭敏な感覚で描く。

夜半の寝覚:平安後期の長編物語。作者は菅原孝標女と伝えるが確かでない。成立年次も不明。欠巻が多いが,源氏の大臣の姫君である寝覚の女君の悲恋を克明な心理描写を駆使して描いた異色作で,《源氏物語》宇治十帖の影響が著しい。

落窪物語:平安中期の物語。作者不詳。4巻。10世紀後半(一条天皇のころ)の成立とする説が有力。現存最古の継子いじめ物語。写実的な筆致で当時の貴族社会の家庭生活を描写し,『源氏物語』以降の文学に大きな影響を与えた。

梁塵秘抄:平安末期の歌謡集。もとは歌詞集10巻と口伝集10巻とからなっていたといわれるが、巻1の抄出と巻2および口伝集巻1の一部と巻10のみが現存する。後白河法皇撰。12世紀後半の成立。今様などの雑芸の歌謡を分類・集成したもの。

和漢朗詠集:平安中期の詩歌集。「倭漢朗詠集」とも書く。1013年ころ成立。2巻。藤原公任 (きんとう) 撰。当時愛読された『白氏文集』や勅撰和歌集・『本朝文粋』などから朗詠に適した佳句秀歌約800首を編んだ。『平家物語』など中世の文芸に大きな影響を与えた。

和泉式部日記:日記。1巻。和泉式部の自作とされるが、他作説もある。長保5年(1003)4月から翌年正月までの、敦道親王との恋愛の経過を、歌を交えて物語ふうに記す。

伊勢物語:平安時代に成立した日本の歌物語]。全1巻。

経国集:平安時代初期の天長4年(827年)、淳和天皇の命により編纂された勅撰漢詩集。

古今和歌集:平安時代初期の勅撰和歌集。全20巻。勅撰和歌集として最初に編纂された。

後撰集:村上天皇の下命によって編纂された二番目の勅撰和歌集。

大和物語:平安時代に成立した中古日本の物語。ジャンルは歌物語で作者はいろいろな説がある。

竹取物語:、平安時代前期に成立した日本の物語。

土佐日記:平安時代に成立した日本最古の日記文学のひとつ。

日本霊異記:正式な書名を『日本国現報善悪霊異記』と言い、薬師寺の僧景戒によって弘仁13年(822)頃編まれた日本最古の仏教説話集。

文華秀麗集:平安時代初期の弘仁9年(818年)に、嵯峨天皇の勅命により編纂された勅撰漢詩集。

凌雲集:平安時代初期の弘仁5年(814年)に嵯峨天皇の命により編纂された日本初の勅撰漢詩集。

宇津保物語:日本の平安時代中期に成立した長編物語。全20巻。著者は不明だが源順説などがある。『竹取物語』にみられた伝奇的性格を受け継ぎ、日本文学史上最古の長編物語である。

往生要集:比叡山中、横川よかはの恵心院に隠遁していた源信が、寛和元年(985年)に、浄土教の観点より、多くの仏教の経典や論書などから、極楽往生に関する重要な文章を集めた仏教書。

源氏物語:平安時代中期に成立した日本の長編物語、小説。

三宝絵詞:平安中期の仏教説話集。略して三宝絵(さんぼうえ)とも呼ばれている。

拾遺集:『古今和歌集』『後撰和歌集』に次ぐ第三番目の勅撰和歌集で、いわゆる「三代集」の最後にあたる。

平仲物語:平安時代に成立した歌物語。作者や成立年は不詳。主人公の「平中」は、平安時代中期の歌人、平貞文(たいらのさだふみ(さだぶん))を指す。

枕草子:平安時代中期に中宮定子に仕えた女房、清少納言により執筆されたと伝わる随筆。

落窪物語:10世紀末頃に成立したとされる中古日本の物語である。全4巻。作者は不明。

和泉式部日記:和泉式部によって記された日記であり、女流日記文学の代表的作品である。

蜻蛉日記:平安時代の女流日記。作者は藤原道綱母。天暦8年(954年) - 天延2年(974年)の出来事が書かれており、成立は天延2年(974年)前後と推定される。



コメント

管理人 2021/12/01

用語の説明の位置を入れ替えました。


管理人 2021/11/26

了解です。12月あたりに仕様変更いたします。


しりたい 2021/11/25

用語の説明が表の下にあると見やすいと思います。