電池の歴史


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* 2021/08/06.

名 前 事 象 説明・コメント
1746 マッシェンブレーケ
Pietervan Musschenbroek
ライデン瓶を発明 原理的にはコンデンサですが、高い電圧にすることで多量の電気を蓄えることもできました。
1780 ガルバーニ
Luigi Galvani
ガルバニーの蛙の脚の実験 真鍮のフックにカエルを止めて、鉄製のメスを触れるとカエルの足が引きつることに着目して、カエルに動物電気(animal electricity)が生じている証拠であると考えました。
1800 ボルタ
Alessandro Volta
ボルタの電推を発明 銅版と亜鉛板の間に塩水で湿らせた厚紙を挟んだものを多数積み上げたもので、連続的な電流が得られる電源が得られ電気の研究が急速に進み電気分解や通信に応用する試みも開始されます。
1835 William Sturgeon   亜鉛に水銀を加えることによって局部作用の問題を解決します。
1836 ダニエル
John Frederic Daniell
ダニエル電池を発明 ボルタの電池で水素の泡が電極を包む問題(分極作用)を解決しました。それは2種類の電解溶液を使用することで、発生した水素を酸素と再結合させて水に戻すことによって水素の気泡が発生しないようにするものでした。
1838 ウイリアム・ロバート・グローブ
William Robert Grove
燃料電池を原理を発見  
1839 アレクサンダ・エドモンド・ベクレル
Alexandre-Edmond Becquerel
光起電力効果を発見 太陽電池の原理である光起電力効果(photovoltaic effect)を発見しました。
1844 ウイリアム・ロバート・グローブ
William Robert Grove
グローブ電池を発明 ダニエル電池よりも強力な電池は容器に硫酸溶液を入れ、その中に亜鉛の電極(陽極)と素焼きの陶器を入れ、素焼きの陶器の中に白金の電極(陰極)を入れたもので、発生電圧はダニエル電池の約2倍で電流も多く流すことができました。
1948 Joseph J. Coleman,
Demotrias V. Louzos
水を含まない電解質を発明 リチウム電池に必要な電解質に有機溶剤を使用した水を含まない電解質(nonaqueous Solvents)を使用した電池を発明(us2597451)しました。
1859 ガストン・プランテ
Gaston Plante
鉛蓄電池を発明 これまでの電池が使い捨てであったのに比べ、再充電することで再使用できることから非常に長い期間使用できるのが大きな特徴です。
1860s Callaud 重力電池を発明 ダニエル電池の素焼きの容器を使用しない電池で、2種類の電解液が重力によって分離する(たとえば水の上に油が浮かぶように)ことで二つの電解液の混合を防止したことです。これによってイオンの移動を妨げる(内部抵抗)ものが無くなり、大きな電流が得られるようになりました。
1866 ジョルジュ・ルクランシェ
Georges Leclanche
ルクランシェ電池を発明 亜鉛(陽極)と二酸化マンガン(少量の炭素を含む)を多孔質の材料で包んだ(陰極)電極を使用し、塩化アンモニア溶液を満たした容器に入れた電池で1.4から1.6ボルトの電圧を発生し、長時間電流を供給できたことから、当時の電信や電話に使用されるようになりました。
1877 W.G. Adams
R.E. Day
固体セレンの光起電力効果を発見 固体セレン(selenium)の光起電力効果を発見しました。
1881 カミーユ・アルフォンス・フォーレ
Camille Alphonse Faure
大容量の蓄電池を大量生産 プランテの初期の蓄電池を改良し、大容量の蓄電池を実現しました。
1883 Charles Fritts 最初の太陽電池を発明 セレン(半導体)を薄い金で覆うことで接合面が形成されそこに光を当てると電気が発生しました。これが最初の太陽電池で、エネルギー変換効率が1%以下でしたのでエネルギー源としては実用的でなかったことから、1960年大まで写真撮影用の露出計等に使用されてきました。
1886 カール・ガスナー
Carl Gassner
乾電池を発明 ルクランシェ電池を改良した乾電池のを発明して特許(us373064)を取得しました。この電池は液体を使用していない電池で、ルクランシェ電池で電解液として使用した塩化アンモニュウムの代わりに石膏を塩化アンモニュウムで練ったものに少量の亜鉛塩化物を加えた電解物質で二酸化マンガン電極(陰極)を包み、それを亜鉛容器に密封したもので、発生電圧は約1.5ボルトでした。
1887 フレデリック・ヘレセン
Frederik Hellesen
乾電池を発明 亜鉛と炭素を使用した乾電池を設計してスイス特許(Patennt Nr. 550・7. marz 1880) を取得しています。
1887 屋井 先蔵(やい さきぞう) 乾電池を発明 炭素棒にパラフィンを含浸する乾電池を発明しました。
1899 ユングナー
Waldmar Jungner Sw
ニッケルカドミュウム電池を発明 電極にニッケルとカドミュウムを使用し電解液に水酸化カリュウム溶液(アルカリ性電解液)を使用したことで、分極作用が著しく少ないことから強力な電流を長時間供給することができました。しかし、材料が高価なことから実用化が遅れ、1910年にスエーデンで商業化が開始され、1946年には米国でも販売されるようになります。
1899 エジソン ニッケル鉄電池を発明 ユングナーはニッケル鉄電池を発明しましたが、この電池は再充電が可能(2次電池;蓄電池)で同時に発明したニッケルカドミウム電池よりも性能が劣ることから、特許の申請が遅れ、エジソンが特許(us701804)を取得して1903には生産販売を開始しました(エジソンの電池を参照してください)
1932 Audobert and Stora セレン化カドミウム の光起電力効果を発見 セレン化カドミウムCadmium selenide (CdSe) の光起電力効果を発見しました。
1941 Russell Ohl PN接合型の太陽電池を発明 高純度のシリコーンでPN接合型の太陽電池を発明し、特許(1946us2402662、2443542 Light sensitive device)を取得しました。
1953 フランシス・トーマス・ベーコン
Francis Thomas Bacon
アルカリ電解質形燃料電池を発明  
1954 ベル電話研究所
(Bell Laboratories)
光伝導性を発見 不純物が入ったシリコンに光を当てると電流が変化する現象(光伝導性)を発見しました。
1955 Willard Thomas Grubb 固体高分子形燃料電池を発明 固体高分子形燃料電池Polymer Electrolyte Fuel Cell PEFC)を発明しました。
1958 米国 人工衛星に太陽電池を搭載 人工衛星(Vanguard I)に実用的な太陽電池(0.1W, solar panel 100 cm2)が搭載されました。
1959 Leonard Niedrach 固体高分子形燃料電池を発明 固体高分子形燃料電池(Proton Exchange Membrane Fuel Cell PEMFC)を発明し、アメリカの有人宇宙飛行計画の中で開発が進められ,1965年に有人宇宙飛行計画ジェミニ5号に採用されました。
1959 フランシス・トーマス・ベーコン
Francis Thomas Bacon
5kwのアルカリ形燃料電池を開発 1960年代にはプラット&ホイットニー社はベーコンの特許使用許諾を得て、アポロ計画の宇宙船やスペースシャトルでは電気と飲料水を供給するのに使用されました。
1959   アルカリ電池を発売 粉末状の亜鉛電極(陽極)とマンガン二酸化物電極(陰極)の間にアルカリ性の電解質を使用した電池で、高価であるが長寿命でした。
1959 ルイス・アリー
Lewis Urry
アルカリマンガン乾電池を発明  
1963 シャープ株式会社
Sharp Corporation
太陽電池の量産を開始  
1964 松下電器産業 アルカリマンガン乾電池を発売  
1966 Robert A. Rightmire 金属リチウム電池を発明 金属リチウム電池に関する特許(us3462312)が取得されました。
1970 Zhores Alferov USSR ガリウム・砒素系太陽電池を発明 エネルギー変換効率の高いガリウム・砒素を使用した太陽電池(GaAs heterostructure solar cells)発明しました。 1999年にはエネルギー変換効率が32%に達しています。
1979 ジョン・グッドイナフ J.B.Goodenough
水島公一
リチウムイオン電池を発明 リチウム遷移金属酸化物を電池の陽極に使用する特許を取得し、リチウムイオン電池の発展のきっかけになりました。
1980 サマー・バス
SamarBasu
黒鉛にリチュウムを吸蔵させた電池 黒鉛にリチュウムを吸蔵(LiC6)させる方法を使用した二次電池の特許(us4304825)が取得されました。
1980 松下 リチウムイオン電池の特許 二酸化マンガンを使用したリチウムイオン電池の特許(s56-103864)が出願され、
1980s Stanford R. Ovshinsky ニッケル・水素蓄電池を発明 陽極に水酸化ニッケル、陰極に水素吸蔵合金、電解液に水酸化カリウム水溶液(KOH aq.)を用いた二次電池の一種です。特許(us4623597、us527799)を取得しました。 この電池はニッケルカドミュウム電池のカドミュウムは毒性があることから、カドミュウムに代わる材料として水素を吸収する合金を使用した電池です。
1981 三洋電機 リチウムイオン電池の特許 黒鉛質負極材料を使用したリチウムイオンイオン電池の基本的特許(公告s62-23433:出願s57-208079)が出願されました。
1988 ソニー 陽極材料の開発に成功 LiMn2O4を粉体としそれにグラファイトにバインダーを加え圧縮成型し乾燥して陽極を作る方法で、電池の安全を確保できる陽極材料の開発に成功しました。 特許(63-114065)
1991 ソニー リチュウムイオン電池の量産化 高いエネルギー密度を持つリチュウムイオン電池の量産化に成功します。
1994 三洋と松下 リチウムイオン電池を実用化  
1998   リチウムイオンポリマー電池の量産化 電解質にゲル状のポリマーを使用し外装にアルミラミネートフィルムが使われていることが特徴で小型軽量化され、電気自動車の電池として注目されています。

pn接合:半導体中でP型半導体の領域とN型半導体の領域が接している部分を言う。

パラフィン:常温において半透明ないし白色の軟らかい固体(蝋状)で水に溶けず、化学的に安定な物質である。

光起電力効果:物質に光を照射することで起電力が発生する現象である。

光伝導性:光吸収によって物質の電気伝導率が増す性質。

P型半導体:電荷を運ぶキャリアとして正孔(ホール)が使われる半導体である。正の電荷を持つ正孔が移動することで電流が生じる。つまり、正孔が多数キャリアとなる半導体である。



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